【マネジメント】 表面的な論理はいらない!気持ちを込めろ!
講師生活27年・・・はじめて壇上で泣きました。
福島県のある団体で、ロジカル・プレゼンテーション研修(論理的な説得力向上研修)を2日間にわたり実施しました。
いかに論理的に話を組み立て、相手に説得力の高い説明をするか、そのコツについて演習を繰り返して体得していただくものです。
【何のための論理だ?】
福島県の浪江町(なみえちょう)は、原発事故で最も大きな被害を受けた場所ですが、ここの名物である「浪江焼きそば」が昨年のB1グランプリ(B級グルメの祭典)で優勝し、一躍有名になりました。
これを踏まえて、グループ演習の際、あるグループがプレゼンのテーマを「浪江焼きそばのPR」と設定して原稿作りに取りかかりました。(事情により、プレゼンの場面や対象は伏せます。)
その原稿を見た私は、ちょっと可哀想かなと思うくらいに厳しく問いました。「だから、何なんですか?」「そのプレゼンは、する価値があるんですか?」
そう、ご想像の通り・・・原稿に書かれていたのは、
①味が良いことの説明
②麺が太くて食感が良いことの説明
③丼が地元産の陶磁器であることの説明
うーん、たしかにロジック・ツリーでの情報整理のルール(大項目の概念の大きさや方向性を揃えること)には沿ってはいるものの(だから、表面上は論理的に思えるものの)、浪江焼きそばをPRする上での興味深さや、相手に意思決定を促すだけの説得力に欠けます。
【論理的な構成に、思いを込める】
私からの指摘に受講生はハッとして、「あっ、大切なことを忘れてたよ」「何のためのB1グランプリだったんだろう」と口々に言い合い、早速修正に取りかかりました。
その結果、出てきた原稿は、
①過去:
肉体労働者に、安くてたくさん食べてもらえるよう作られた、という歴史的背景があること
②現在:
原発事故の影響で、焼きそばを作る店が1件になりながらも、グランプリを勝ち取ったこと
③未来:
チャンピオンとして、今後開催されるB1の祭典で福島をPRし、復興のパワーにしたいこと
どうですか、このストーリー、この切り口・・・彼らが発表したとき、特に最後の力強い「復興に向けた決意」を聞いたとき、私は講師生活27年の中で、はじめて壇上で涙を流してしまいました。
【論理とは、冷たくも堅くもない!】
「論理」と聞いて、それは感情とは無縁の冷たいもの、堅苦しいもの、と思っている人も多いでしょうが、その考えは “大間違い” です。
重要な内容を「早く、正確に伝える」ために必要なのが「論理的な話の構成(組み立て)」であって、そこに感情や気持ちを盛り込んではダメというルールは無いのです。
いや、むしろプレゼンテーションのように相手を納得させ、意思決定を促すためには、必要事項を論理的に並べることは最低限必要ですが、やはり強い意思や決意などを込める必要があります。
表面上の論理(論理構成)だけでも、感動の押し売りだけでも、人の心は動かせません。逆に、論理と感動を合わせてはじめて、成果に結びつくプレゼンテーションが実現するのです。
ご参考:ホームページ 雑記帳のバックナンバー
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